オシロスコープの分解能は、微小な信号やノイズを観測するうえで重要なスペックです。本記事では、「垂直分解能」と「時間方向の分解能」の違いや、機種選定時に注目したいポイントを解説します。
分解能とは、信号の細かな変化をどこまで識別できるかを考える際の重要な指標です。オシロスコープでは、電圧軸方向の分解能を示す「垂直分解能」と、時間軸方向の細かな変化を捉える能力に関係する「時間方向の分解能」があります。これらは、波形をどの程度細かく再現できるかを左右する重要な要素です。
垂直分解能は、ADC(A/Dコンバータ)のビット数が基本的な指標となります。一般的な8bitモデルでは入力信号を256段階で表現しますが、12bitでは4,096段階、14bitでは16,384段階、16bitでは65,536段階となります。ビット数が1増えるごとに量子化レベルは2倍になるため、ビット数が大きいほど電圧の細かな変化をデジタル化しやすくなります。
時間方向の分解能は、サンプリングレートと密接に関係します。サンプリングレートが高いほどサンプル間隔が短くなり、立ち上がりの速いパルスや信号の細かな時間変化を捉えやすくなります。ただし、高速信号を正確に観測するには、サンプリングレートだけでなくオシロスコープの帯域幅も重要です。
8bitの標準的なオシロスコープは、一般的な波形観測や電圧測定に広く利用できます。一方、電源ノイズやリップル、微小な波形変動などをより細かく観測したい場合は、12bit以上の垂直分解能に対応したモデルを選択肢に入れるとよいでしょう。ビット数が高いほど量子化レベルが細かくなるため、量子化による誤差を抑えやすくなります。
測定対象の電圧振幅が大きい場合は8bitモデルでも十分に対応できるケースが多くあります。一方、mVオーダーの微小信号や、大信号に重畳した微弱なノイズを解析する場合は、12bit以上のモデルが適しています。
なお、実際の測定性能はカタログ上のADCビット数だけでなく、ENOB(実効ビット数)やオシロスコープ自身のノイズフロア、垂直レンジなどにも左右される点に注意が必要です。時間方向については、サンプリングレートがオシロスコープの帯域幅に対して3~5倍程度あるかを一つの目安とします。「垂直分解能・帯域幅・サンプリングレート」の3点をバランスよく確認し、総合的な性能を見極めることが適切な機種選定につながります。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 4ch/8ch/ロジック32bit |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |