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オシロスコープのトリガレベルとは

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オシロスコープを使用する際、画面上の波形が左右に激しく流れてしまい、正しく観測できないことがあります。この現象を解決し、波形を静止させて表示するために欠かせないのが「トリガ」機能です。本記事では、その中核となる「トリガレベル」の意味や関連設定、そしてスムーズな測定を可能にする機器選びのポイントを解説します。

オシロスコープのトリガとトリガレベルとは

トリガ機能の役割

オシロスコープは、入力された電気信号の電圧変化を高速で繰り返し画面に描き出しています。しかし、信号が描き始められるタイミングがバラバラだと、各回の波形が重ならずにズレてしまい、人間の目には波形が横に流れているように見えてしまいます。

トリガ機能は、波形を描き始めるきっかけを作る役割を担います。一定の条件を満たした瞬間にだけ描画を開始することで、常に同じ位置から波形を重ね合わせ、画面上でピタッと静止しているように見せることができるのです。

トリガレベルの意味

トリガレベルとは、波形の描画を開始する基準となる電圧値のことです。例えば、トリガレベルを「2.0V」に設定した場合、信号の電圧が2.0Vに達した瞬間を起点として画面への表示が始まります。

このレベルが信号の振幅の中に設定されていないと、トリガがかからず、波形は静止しません。オシロスコープの画面上では、通常、右端や左端に表示される小さな矢印や線のインジケータで、現在のトリガレベルがどの位置にあるかを確認できます。

トリガレベルと一緒に覚えたい必須設定

トリガソース

複数の信号を同時に測定している場合、どのチャンネルの信号を基準にしてトリガをかけるかを指定するのがトリガソースです。基本的には、最も安定している信号や、観測の基準となるクロック信号などをソースに選択します。

ソースが正しく選択されていないと、見たい波形に対してトリガがかからず、同期が取れない原因となります。最近のデジタルオシロスコープでは、外部入力をトリガソースとして使用できるモデルも一般的です。

トリガスロープ

信号がトリガレベルを通過する際、電圧が低い方から高い方へ(立ち上がり)通過した時に描画を始めるか、高い方から低い方へ(立ち下がり)通過した時に始めるかを選ぶ設定です。

デジタル回路の信号であれば、Hレベルへの変化を見たい場合は立ち上がり(Rising Edge)、Lレベルへの変化を捉えたい場合は立ち下がり(Falling Edge)を選択します。この選択により、波形のどのポイントを画面の起点にするかを決定します。

トリガモード(オート・ノーマル・シングル)

観測したい信号の性質に合わせて、以下の3つのモードを使い分けるのが一般的です。

  • オート(Auto):トリガ条件が満たされない場合でも、一定時間ごとに自動で描画を更新します。信号が入力されているか不明な際や、大まかな波形をまず確認したい時に有効です。
  • ノーマル(Normal):設定したトリガ条件を満たした時のみ描画を更新します。周期が遅い信号や、特定の条件でのみ発生する現象を捉える際に使用します。
  • シングル(Single):条件を満たした最初の1回だけ波形を取り込み、静止させます。電源投入時の突入電流や、一度しか起きないエラー信号(単発現象)の観測に必須です。

トリガ設定が使いやすいオシロスコープの選び方

初心者からプロまで重宝するのが、ボタン一つで電圧軸・時間軸・トリガレベルを適切な状態に自動調整するオートセット(Auto Set)機能です。

この機能の精度が高いモデルを選ぶと、「手動設定の手間を省き、手軽に安定した波形表示をサポートします。低価格帯のモデルでも搭載されていますが、メーカーや機種によって「波形を捉えるまでの速さ」や「適切なレベル設定の正確性」に差が出るため、選定時の重要な比較項目となります。

操作性(専用のトリガ・ツマミがあるか)

トリガレベルの調整は、測定中に頻繁に行う操作です。そのため、タッチパネルのメニュー階層に潜る必要がなく、パネル上に独立したTRIGGER LEVELツマミが配置されている機種が推奨されます。

特に多機能なデジタルオシロスコープの中には操作が複雑なものもありますが、基本操作であるトリガ関連のノブが独立しているモデルは直感的に扱えます。また、信号の振幅の中央(50%)付近はノイズの影響を受けにくく、最も安定してトリガがかかるポイントです。そのため、ツマミを押し込むだけでレベルを自動的に中央へセットできる50%セット機能を持つモデルは、非常に作業効率が高まります。

THREE SELECTIONS
【周波数帯域別】
オシロスコープメーカー3選

周波数帯域別におすすめのオシロスコープメーカー3社を紹介します。

周波数帯域
低帯域のイメージアイコン
教育機関など
数十MHz
の信号なら
低価格で基本性能を
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リゴル
おすすめの製品一例
DS1000Z-E シリーズ
製品画像
引用元:リゴル公式サイト https://jp.rigol.com/jp/products/detail/DS1000Z-EX
周波数帯域200MHz
サンプルレート1GSa/s
チャネル数2
100MHz未満に
対応
  • 50〜100MHz帯域のモデルは、最低2チャネル・1GSa/sのサンプルレートを備え、電子回路の基礎学習や電子工作に必要な性能を発揮
  • 業界最安級の43,780円(税込)から購入できる低帯域・低価格モデルを展開し、初学者や教育機関でも導入しやすい
中帯域のイメージアイコン
自動車業界など
数百MHz
の信号なら
開発・検証用途に
幅広く対応可能
横河計測
おすすめの製品一例
DLM5000HDシリーズ
製品画像
引用元:横河計測公式サイト https://tmi.yokogawa.com/jp/solutions/products/oscilloscopes/digital-and-mixed-signal-oscilloscopes/dlm5000hd-series-mixed-signal-oscilloscope/
周波数帯域350MHz/500MHz
サンプルレート2.5GS/s
チャネル数最大16(2台連結)
200~500MHzを
カバー
  • ECUやセンサの信号を16bit×2台連結により最大16chでの同時記録が可能。部品設計の高速信号捕捉から、完成車テストの長時間測定まで、自動車開発の全フェーズに対応
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高帯域のイメージアイコン
通信業界など
数GHz超
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高速通信や
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キーサイト
おすすめの製品一例
UXR1004B Infiniium UXRシリーズ
製品画像
引用元:キーサイト公式サイト https://www.keysight.com/jp/ja/product/UXR1004B/infiniium-uxr-series-oscilloscope-100-ghz-4-channels.html
周波数帯域100GHz
サンプルレート256GSa/s
チャネル数4
最高110GHzまで
アップグレード可能
  • 5Gやミリ波、光通信機器などで使用される最大110GHzの高速信号に対し、逓倍器を用いずに最大256 GSa/sで細かにサンプリング
  • 上位モデルではジッタ測定、クロック・リカバリ機能搭載で、PHY層の通信規格テストを効率化
※参照元:インデックスプロ(https://www.indexpro.co.jp/Category/982)に掲載されているオシロスコープ販売メーカー17社の公式HPを調査(2025年6月12日調査時点)し、最も安いオシロスコープを取り扱うのがリゴル。
オシロスコープのイメージ写真

【周波数帯域別】

オシロスコープメーカー3選