オシロスコープは、電子回路の波形を観測し、電圧や時間的な変化を解析するための不可欠なツールです。しかし、誤った使用方法は機器の損傷や感電事故につながるため、安全かつ正確な測定を行うための注意点を理解しておくことが重要です。
この記事では、特に危険性の高いポイントに焦点を当てて解説します。
コモンモード電位を持つ測定対象(例えば、フローティング電源やモーターの回路)を測定する場合、オシロスコープのGND端子を直接接続することは非常に危険です。オシロスコープのGNDは通常、電源グランド(大地)に接続されているため、短絡や感電、機器の損傷を引き起こします。差動プローブや光アイソレーションプローブを使用して、グランドが共通でない回路間の電位差を安全に測定してください。
一般的な受動電圧プローブは、先端のプローブグランド(クリップ)がオシロスコープのシャーシグランド(大地)と接続されています。そのため、コンセント(交流電源)のLIVE側やニュートラル側の電位を測定しようとしてグランドクリップを接続すると、LIVE側と大地間で短絡が発生し、感電や火災、機器の破損につながる可能性があります。
コンセント波形を測定する際は、高電圧対応の差動プローブを使用してください。もし絶縁トランスを使用する場合は、オシロスコープ側ではなく「測定対象の機器」を絶縁するために使用してください。オシロスコープ本体のアースを外して浮かせる行為は、感電のリスクがあるため行ってはいけません。
高電圧を測定する際、高電圧シングルエンドプローブを使用する場合は、プローブの定格電圧と測定対象の最大電圧を必ず確認しましょう。特に注意が必要なのは、プローブの耐圧は「周波数が高くなるにつれて低下する(ディレーティング)」という点です。例えばDCで数千ボルトの耐圧があっても、高周波パルスに対しては耐圧が大幅に下がることがあるため、周波数ごとの許容電圧範囲内であることを必ず確認してください。また、プローブの絶縁体やコネクタ部分に触れないよう細心の注意を払い、測定中は安全距離を確保してください。
オシロスコープに入力できる最大電圧(チャンネルごと、およびプローブの定格)を必ず確認しましょう。定格を超えた電圧が入力されると、オシロスコープの入力回路が破損し、修理不能になる場合があります。一般的に、受動プローブは10:1や100:1などの減衰比がありますが、これはプローブ単体の定格であり、オシロスコープ本体の最大入力電圧も考慮が必要です。
受動電圧プローブを使用する前には、必ずオシロスコープとプローブを接続し、補正(コンペンセーション)調整を行って、正しい波形が表示されるようにしましょう。この調整が不適切だと、矩形波の立ち上がりや立ち下がりでリンギングやなまりが発生し、正確な測定ができません。また、プローブケーブルの無理な屈曲や引っ張りは、内部断線や特性変化の原因となるため避ける必要があります。
測定の精度を確保するためには、適切な接地(グラウンド)処理が重要です。測定対象とオシロスコープで接地点が複数存在すると「グラウンドループ」が形成され、商用電源周波数のハムノイズなどが波形に混入する原因となります。可能な限り接地点を一点に定めるか、差動プローブを使用してループを断ち切る対策が有効です。可能であれば、安定化された電源を使用し、他の高ノイズ機器と同じ電源回路に接続しないように配慮が必要です。
オシロスコープを使用する際は、感電や機器破損のリスクを避けるため、いくつかの重要事項を厳守する必要があります。
特に、測定対象がコモンモード電位を持つ場合は差動プローブを、コンセント波形の測定時は高電圧対応の差動プローブや、適切に用意された絶縁トランスなどの絶縁手段を用いることが重要です。いずれの場合も、オシロスコープ本体の保護接地は決して外さないでください。
安全性を確保するため、電源品質にも配慮し、安全な測定環境を整えましょう。
周波数帯域別におすすめのオシロスコープメーカー3社を紹介します。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 最大16(2台連結) |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |