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オシロスコープの使い方

目次
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オシロスコープを正確に使いこなすには、波形の読み取り方や測定精度を左右する基本操作の理解が不可欠です。

本記事では、信号観測に欠かせないスケール調整やトリガー設定、解析・波形データ保存機能など、押さえておくべき基本操作と各機能を解説します。

オシロスコープの表示画面の見方

画面は、縦8分割・横10分割のグリッド(格子)で構成されており、この1目盛を「div」と呼びます。縦軸は電圧(V/div)、横軸は時間(s/div)の単位で、1divあたりのスケールを設定します。

例えば1V/divなら1目盛が1V、1µs/divなら1目盛が1µsです。

波形は左から右へ一定の時間スケールで表示され、画面上に表示されるグランドマーク(0V基準)を中心に上下に振れることで、信号の電圧変動やパルス幅などの時間的な変化を視覚的に把握できます。

垂直軸(電圧)設定

画面の縦方向は、通常8div(目盛)で構成されており、1divあたりのスケールをV/divで設定します。

例えば、1V/divに設定した場合、画面全体(8div)で表示できる電圧範囲は±4Vとなります(中央が0V基準の場合、上に4div=+4V、下に4div=−4V)。

波形が画面外にはみ出すような大きな振幅の場合は、V/divを大きくして縮小表示。逆に微小な信号を詳細に観察するには、V/divを小さく設定して拡大表示します。

スケールの調整は、垂直感度ノブ(つまみ)やタッチパネルを使用し、1チャネルや2チャネルなど各入力チャネルごとに個別に設定可能(機種にもよります)です。

適切な電圧スケールを選ぶことで、信号の最大電圧や微小なノイズなどの振幅情報を正確に把握でき、回路評価の再現性と精度の向上につながります。

水平軸(時間)設定

画面の横方向に対応し、波形の時間スケールをs/divで設定します。

1µs/divなら1目盛あたり1µs、10divで10µsの時間範囲。波形が速すぎて細部が見えない場合はs/divを下げて拡大表示、長周期信号全体を見たい場合は上げて縮小表示します。

調整は時間軸ノブ(タイムベース)やタッチパネルで行い、観測対象の時間スケールに応じて適切な表示が可能です。

信号の周期、信号が0Vから所定電圧に達するまでの立ち上がり時間、入力と出力の間に発生する遅延(信号が入力されてから出力が変化するまでにかかる時間)などの時間的特性を正確に把握することで、仕様通りに動作しているかの確認や、タイミング異常の早期発見につながります。

トリガー機能

波形の表示開始タイミングを制御し、画面に信号を安定して表示させるための設定です。

指定した電圧レベルと信号が上昇(立ち上がり)または下降(立ち下がり)する瞬間などの条件に一致したときに、波形の捕捉および表示が開始されます。

0Vから一定電圧に上昇するタイミングをトリガー条件に設定すると、毎回その瞬間を基準として波形が表示され、周期信号やノイズの挙動を安定して観測可能。

トリガーを適切に設定することで、信号変化のタイミングや不規則な異常波形の発生位置を的確に捉えられ、再現性の確認や不具合解析に有効です。

解析機能

オシロスコープには、波形の測定や信号の特性評価を自動化する解析機能(演算・測定支援機能)が搭載されており、代表的な機能には、以下があげられます。

  • ピーク値や平均値、周波数、デューティ比(信号の1周期に対するON時間の割合)などの自動測定
  • カーソル操作による任意の2点間の電圧差・時間差の計算
  • FFT(時間軸の波形を周波数成分に分解して解析する手法)による周波数解析など

これらの機能を活用することで、複雑な演算を手作業で行う必要がなくなり、測定誤差やばらつきを抑えて効率的に結果が得られ、定量的な評価や、異常傾向の早期発見、設計仕様との比較検証に役立ちます。

波形データ保存機能

多くのオシロスコープは、観測した波形や測定結果をUSBメモリや内部ストレージに保存できます。

保存形式には、画面画像(PNGなど)、波形データ(CSVなど)、および電圧・時間軸やトリガー条件などの測定設定を含むファイルがあり、波形の一時的な表示だけでなく、記録として残すことで再解析や報告書作成が容易に。

また、異常波形を記録すれば、設計レビューやトラブル再現性の検証にも活用できます。測定設定を保存しておけば、作業者や機器が異なる場合でも、同じ条件での再測定が可能です。

オシロスコープ活用で
設計・検証を効率化する
3つのポイント

オシロスコープを使いこなすには、垂直軸と水平軸でスケールを調整し、信号の振幅、立ち上がり時間、遅延などの時間・電圧特性を正確に読み取れるよう表示することが基本です。

以下の3点を意識することで、測定精度と作業効率の両立が図れます。

  1. スケール調整で信号を正確に表示
  2. トリガー機能を活用して波形を安定表示
  3. 解析・保存機能の活用で、測定作業を自動化・省力化

トリガー機能で波形を安定表示すれば、ノイズの混入タイミングや周期変動を特定でき、原因解析や再現確認が迅速に行えます。

解析機能で値を自動測定し、波形データ保存機能で異常波形や条件を記録することで、再測定や検証作業が効率化し、設計の信頼性向上やトラブル抑制へつなげることが可能です。

POINT
周波数帯域別
オシロスコープメーカー
3選

オシロスコープは、測定したい信号の周波数帯域によって選ぶべき製品が異なります。メーカーごとに取り扱う製品の強みや、対応している周波数帯域も様々です。

当メディアでは、周波数帯域別におすすめのオシロスコープメーカー3社を紹介しています。自社の用途に合わせたオシロスコープメーカー選びに、ぜひご活用ください。

THREE SELECTIONS
【周波数帯域別】
オシロスコープメーカー3選

周波数帯域別におすすめのオシロスコープメーカー3社を紹介します。

周波数帯域
低帯域のイメージアイコン
教育機関など
数十MHz
の信号なら
低価格で基本性能を
しっかりカバー
リゴル
おすすめの製品一例
DS1000Z-E シリーズ
製品画像
引用元:リゴル公式サイト https://jp.rigol.com/jp/products/detail/DS1000Z-EX
周波数帯域200MHz
サンプルレート1GSa/s
チャネル数2
100MHz未満に
対応
  • 50〜100MHz帯域のモデルは、最低2チャネル・1GSa/sのサンプルレートを備え、電子回路の基礎学習や電子工作に必要な性能を発揮
  • 業界最安級の43,780円(税込)から購入できる低帯域・低価格モデルを展開し、初学者や教育機関でも導入しやすい
中帯域のイメージアイコン
自動車業界など
数百MHz
の信号なら
開発・検証用途に
幅広く対応可能
横河計測
おすすめの製品一例
DLM5000HDシリーズ
製品画像
引用元:横河計測公式サイト https://tmi.yokogawa.com/jp/solutions/products/oscilloscopes/digital-and-mixed-signal-oscilloscopes/dlm5000hd-series-mixed-signal-oscilloscope/
周波数帯域350MHz/500MHz
サンプルレート2.5GS/s
チャネル数最大16(2台連結)
200~500MHzを
カバー
  • ECUやセンサの信号を16bit×2台連結により最大16chでの同時記録が可能。部品設計の高速信号捕捉から、完成車テストの長時間測定まで、自動車開発の全フェーズに対応
  • インバーターなどの厳しいノイズ環境に強い「絶縁測定」技術を採用
高帯域のイメージアイコン
通信業界など
数GHz超
の高速信号なら
高速通信や
ジッタ解析に対応
キーサイト
おすすめの製品一例
UXR1004B Infiniium UXRシリーズ
製品画像
引用元:キーサイト公式サイト https://www.keysight.com/jp/ja/product/UXR1004B/infiniium-uxr-series-oscilloscope-100-ghz-4-channels.html
周波数帯域100GHz
サンプルレート256GSa/s
チャネル数4
最高110GHzまで
アップグレード可能
  • 5Gやミリ波、光通信機器などで使用される最大110GHzの高速信号に対し、逓倍器を用いずに最大256 GSa/sで細かにサンプリング
  • 上位モデルではジッタ測定、クロック・リカバリ機能搭載で、PHY層の通信規格テストを効率化
※参照元:インデックスプロ(https://www.indexpro.co.jp/Category/982)に掲載されているオシロスコープ販売メーカー17社の公式HPを調査(2025年6月12日調査時点)し、最も安いオシロスコープを取り扱うのがリゴル。
オシロスコープのイメージ写真

【周波数帯域別】

オシロスコープメーカー3選