スコープコーダとオシロスコープは、どちらも電気信号を波形として観測できる計測器です。一方で、測定できる信号の種類やチャンネル構成、記録方法などに違いがあります。本記事では、両者の違いを4つの観点で整理し、測定対象や目的に応じた使い分けの考え方を解説します。
オシロスコープは、高速な電気信号の波形を詳細に観測することを得意としています。製品によってはGHz帯域まで対応し、高速デジタル信号や高周波アナログ信号の評価に利用できます。一方、スコープコーダは、数MHzから数十MHz帯域の入力モジュールなどを備え、高速な波形観測に加えて、多チャンネルの同期測定や長時間記録に対応できる点が特徴です。
高速な立ち上がり波形やジッタなどを詳しく解析したい場合はオシロスコープ、複数の信号を関連付けながら長時間記録したい場合はスコープコーダが適しています。なお、スコープコーダの帯域幅やサンプリングレートは入力モジュールによって異なるため、測定対象に応じて選択することが重要です。
オシロスコープは、トリガを利用して特定のタイミングの波形を詳細に観測する用途に適しています。一方、スコープコーダは、モデルや記録方式に応じて長時間の連続記録に対応できます。大容量メモリーや内蔵ストレージを利用できるモデルでは、長時間にわたる測定データを記録することも可能です。
また、デュアルキャプチャに対応したモデルでは、低速での長時間トレンド記録を行いながら、同時にトリガ条件を満たした瞬間の高速サンプリング波形を捉えることもできます。長時間の耐久試験などで、全体的な変化と突発的な過渡現象を同時に確認したい場合に活用できます。
オシロスコープは、2チャンネルや4チャンネルなど、モデルごとに決められた入力チャンネルを備えるものが一般的です。また、一般的な非絶縁入力のオシロスコープでは、各チャンネルのグランドが共通となるため、電位差のある箇所を測定する際には接続方法に注意が必要です。
一方、スコープコーダにはプラグイン式の入力モジュールを採用したモデルがあり、電圧・電流・温度・ひずみ・加速度・周波数など、測定対象に応じて入力構成を選択できます。さらに、絶縁入力に対応したモジュールでは、入力とグランド間やチャンネル間を絶縁して測定できます。
インバータや電力変換器などのフローティング電圧を測定する場合にも、測定対象や電圧に応じた入力モジュールを選択できます。使用する際は、入力モジュールの最大入力電圧や絶縁仕様などを確認することが重要です。
オシロスコープは、高速な電気信号の波形を詳細に観測する開発・設計やデバッグなどで活用されています。一方、スコープコーダは、多点の信号や物理量を同期させた測定、長時間の記録を必要とする試験・評価やフィールド計測などで活用されています。
高速な信号の立ち上がりやジッタなど、波形を詳細に観測したい場合はオシロスコープが適しています。一方、電圧・電流だけでなく、温度・振動・ひずみなど複数の物理量を同期させ、長時間にわたって記録したい場合はスコープコーダが適しています。
また、両者は用途によって使い分けたり、開発から試験・評価までの工程で併用したりすることもできます。測定する信号の速度や種類、必要なチャンネル数、記録時間などを考慮して選択することが重要です。
スコープコーダとオシロスコープは、どちらも波形を観測できる計測器ですが、得意とする測定に違いがあります。高速な波形の詳細な観測にはオシロスコープ、複数の信号や物理量の同期測定、長時間記録にはスコープコーダが適しています。測定対象や目的、必要なチャンネル数や記録時間などを踏まえて、適した計測器を選択しましょう。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 4ch/8ch/ロジック32bit |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |