パワーエレクトロニクスやEV/HEVの高圧回路を扱う場面では、GNDから浮いた高電位側の信号を測定することがあります。接地型オシロスコープで測定方法を誤ると、測定対象や機器の破損、感電などにつながるおそれがあります。本記事では、高電圧回路を測定する際に知っておきたい絶縁オシロスコープの基礎知識をまとめます。
一般的な接地型オシロスコープでは、複数の入力チャンネルの基準電位が共通になっている製品があります。また、保護接地を備えた製品では、本体の基準電位が保護接地と接続されています。このため、接地されたプローブのグランドリードを接地電位ではない箇所に接続すると、意図しない電流経路が形成され、測定対象や測定機器の破損、感電などにつながるおそれがあります。
GNDから浮いた高電位側を測定する代表的な方法として、絶縁入力を備えたオシロスコープを使用する方法と、接地型オシロスコープに高電圧差動プローブなどを組み合わせる方法があります。絶縁入力を備えたオシロスコープでは、製品仕様に適合したプローブを使用することで、複数のフローティング信号を同時に測定できる製品もあります。
一方、高電圧差動プローブを使用する方法では、既存のオシロスコープを活用できる場合がありますが、測定する信号数や必要な電圧定格に応じてプローブを用意する必要があります。測定対象や必要な絶縁仕様に応じて、適した測定方法を選択することが重要です。
確認しておきたい項目には、最大入力電圧やチャンネル間・チャンネル対接地の絶縁仕様、使用環境に対応した測定カテゴリ(CAT定格)などがあります。CAT定格は、測定対象となる電気設備の設置場所や回路区分に応じた分類で、想定される過渡過電圧への耐性にも関わります。定常的な電圧だけでなく、使用環境で発生する可能性のある過渡過電圧も考慮し、測定対象に適した定格を選択することが重要です。
SiCやGaNなど高速スイッチングを扱う場合は、必要な帯域幅に加え、コモンモード電圧の影響をどの程度抑えられるかも確認する必要があります。高電圧差動プローブなどでは、CMRRやCMTIといった仕様が示されている場合があります。
絶縁オシロスコープは、GNDから浮いた高電位側の信号を測定する際の選択肢の一つです。絶縁入力を備えたオシロスコープを使用する方法のほか、接地型オシロスコープに高電圧差動プローブなどを組み合わせる方法もあります。本体だけでなく、使用するプローブやアクセサリについても、最大入力電圧や絶縁仕様、CAT定格などを確認し、測定システム全体として測定対象や使用環境に適した構成を選ぶことが重要です。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 4ch/8ch/ロジック32bit |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |