スイッチング電源やDC/DCコンバータでは、出力に含まれるリップルやスイッチングノイズが後段回路の誤動作につながることがあります。テスターでは電圧値を確認できますが、時間的に変化するリップルや瞬間的なスパイクノイズの波形を詳しく捉えることは困難です。そのため、電源ノイズの測定には時間波形を観測できるオシロスコープが用いられます。
本記事では、電源ノイズをオシロスコープで測定する際の考え方やプローブの接続方法、現場で見落としやすい注意点を解説します。
電源ノイズを測定する際は、周期的なリップルやスイッチング動作に伴う高周波ノイズ、電源ラインと基準点との間に現れるコモンモードノイズなどを確認します。
リップルは、スイッチング電源などの出力電圧に重畳する周期的な変動です。スイッチング周波数やその高調波などが成分として含まれることがあります。スイッチング素子のオン・オフ時には、急峻な電圧変化に伴って高周波成分やスパイク状のノイズが発生する場合があります。また、コモンモードノイズは複数の導体に共通して現れるノイズで、EMI対策を検討する際にも確認が必要です。
微小なリップルやノイズ成分を観測する場合は、AC結合を利用してDC成分を除去すると、変動成分を拡大して確認しやすくなります。機種によってはオフセット機能を利用して、DC成分を残したまま微小なノイズ成分を観測する方法もあります。
帯域制限は、測定対象や評価目的に応じて設定します。例えば、低周波側のリップルを確認する際は20MHz帯域制限を使用することがあります。一方、高周波のスパイクや過渡的なノイズを評価する場合は、必要な周波数成分を捉えられる十分な帯域を確保することが重要です。測定するノイズの周波数成分を考慮して、適切な帯域を選択します。
プローブの接続には、付属の長いグランドリードではなく、プローブ先端のバネ状のグランド端子や同軸接続のショートグランドなど、測定対象に適した方法を使用します。長いグランドリードを使うとループが大きくなり、外来ノイズやリンギングなどが測定結果に影響する場合があります。
電源ラインは回路構成によって接地されておらず、フローティング状態になっている場合があります。通常のシングルエンドプローブを安易に接続すると、短絡や機器の損傷につながるおそれがあります。ハイサイド側など、通常のプローブでは安全に測定できない箇所には、差動プローブや絶縁入力に対応した測定器など、測定対象に適した測定方式を使用します。使用するプローブや測定器については、入力電圧や対地電圧などの定格を事前に確認することが重要です。
また、電源ノイズは負荷条件や動作状態、温度などによって変化する場合があります。実際の使用環境に近い条件で測定するとともに、オシロスコープやプローブ自身のノイズが測定結果に影響することにも注意が必要です。微小なリップルやノイズを測定する場合は、プローブの減衰比や帯域、入力ノイズなどの仕様を確認し、測定対象に適したプローブを選択することが重要です。
電源ノイズの測定では、測定対象に応じた帯域やカップリングの設定と、適切なプローブ接続が重要です。特にグランドリードの取り回しは測定結果に影響しやすいため、できるだけループを小さくして接続します。また、電源ラインの測定では短絡や機器の損傷を防ぐため、測定対象の電位やプローブの定格を確認し、安全な測定方法を選択することが大切です。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 4ch/8ch/ロジック32bit |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |