パワーエレクトロニクスの評価では、電圧・電流・ゲート信号など、同時に確認したい信号が多くなることがあります。測定内容によっては、従来主流だった4chオシロスコープでは観測点が不足することもあり、複数台を同期させる方法とあわせて、8chオシロスコープも選択肢となります。本記事では、8ch機が有効な場面と、選定時に確認しておきたい仕様を基礎から整理します。
三相インバータの評価では、U/V/W各相の電圧と電流、DCリンク電圧、ハイサイド/ローサイドのゲート駆動信号など、同時に取得したい信号が多数あります。三相の電圧と電流を同時に測定するだけでも6chが必要になるため、DCリンク電圧やゲート信号などを追加すると、4chでは不足するケースがあります。モータドライブの評価でも、三相電流に加え、PWMキャリアやエンコーダ信号、指令値などを同時に確認するケースがあります。また、アナログとロジックの混合信号計測(MSO)に対応するモデルでは、アナログ波形とデジタル信号を同時に観測し、それぞれの時間的な関係を確認できます。
4chを2台同期させて8点測定する方法もありますが、複数台を同期させる場合は、機器間の同期精度やチャンネル間の時間差、プローブや測定系による遅延差などを考慮する必要があります。8ch機であれば1台に集約できるため、複数の測定信号を共通の時間軸で取得しやすく、信号同士の時間的な関係を確認しやすい点がメリットです。
まず、8chを同時に使用した場合のサンプリングレートを確認しましょう。カタログに記載された最大サンプリングレートが、一部のチャンネルのみを使用した場合の値であることもあり、8ch同時使用時には低下する仕様の製品もあります。分解能(8bit/12bit)や入力レンジ、全チャンネルを同時に使用した場合のメモリ長、電圧・電流プローブやチャンネル間の時間差を補正するディスキュー機能、電力解析オプションの有無も、パワエレ用途では確認しておきたい項目です。
本体が8chに対応していても、測定したい信号の数や種類に応じたプローブを用意する必要があります。特に高電圧差動プローブや電流プローブは、本体とは別に必要となる場合があるため、必要な本数分の予算や製品ラインナップ、校正・スキュー調整の運用手段まで含めて検討することが重要です。
パワエレ評価では、三相の電圧・電流、DC側、ゲート信号、制御信号など、測定内容によっては同時に確認したい信号が4chを超えることがあります。8chオシロスコープは、1台で複数の信号を同時に取得し、時間的な関係を確認しやすい点が特徴です。8ch同時使用時のサンプリングレートや分解能、メモリ長に加え、必要なプローブを揃えられるかまで含めて検討することが重要です。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 4ch/8ch/ロジック32bit |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |