500MHz対応のオシロスコープは、高速シリアル信号やDDRメモリ、ECU開発時の信号観測など、数百MHz帯の挙動を確認したい場面で選ばれるモデルです。本ページでは、500MHz帯のオシロスコープを展開する主要メーカーと代表製品を、用途・チャネル数・サンプルレート・拡張性の観点から比較して紹介します。
横河計測の500MHz帯域幅オシロスコープには、DLM3000シリーズ(2〜4ch)とDLM5000シリーズ(4〜8ch)の計7機種があります。全機種が最高2.5GS/sのサンプリング速度を備え、混合信号計測(MSO)、シリアルバス解析、電源解析などの高度な機能に対応しています。
HDモデル(DLM3054HD、DLM5054HD、DLM5058HD)は12ビットADCを搭載し、標準モデルの8ビットに比べ垂直分解能が16倍向上。最大メモリも1Gポイントと2倍で、微小信号の精密測定に優れます。DLM5000シリーズは12.1インチ大画面で多チャネル観測に適し、DLM3000シリーズは8.4インチのコンパクト設計で持ち運びに便利です。用途に応じた選択が可能な製品ラインアップとなっています。
| 製品名 | チャネル数 | 最高サンプルレート | 垂直分解能 | 最大レコード長 |
|---|---|---|---|---|
| DLM5054HD | アナログ4+ロジック32 | 2.5GS/s (全ch) | 12bit, 最大16bit (高分解能モード) | 最大1Gポイント |
| DLM5058HD | アナログ8+ロジック32 | 2.5GS/s (全ch) | 12bit, 最大16bit (高分解能モード) | 最大1Gポイント |
| DLM3054HD | アナログ 4 または アナログ 3 + ロジック 8 |
2.5GS/s | 12 bit (16 bit 高分解能モードあり) | 最大1Gポイント |
| DLM5054 | アナログ4+ロジック32 | 2.5GS/s (全ch) | 8bit, 最大12bit (高分解能モード) | 最大500Mポイント |
| DLM5058 | アナログ8+ロジック32 | 2.5GS/s (全ch) | 8bit, 最大12bit (高分解能モード) | 最大500Mポイント |
| DLM3052 | アナログ 2 | 2.5GS/s | 8bit | 125Mポイント (Single測定, ch1のみ使用) |
| DLM3054 | アナログ 4 または アナログ 3 + ロジック 8 |
2.5GS/s | 8bit | 500Mポイント (Single測定, 奇数チャネルのみ使用, /M2オプション) |
キーサイトのDSOX3052Tは、500MHzの周波数帯域を持つ2アナログチャネルのオシロスコープです。8.5インチの大型静電容量方式タッチスクリーンを搭載し、信号の表示や解析が容易に行えます。最大の特徴は、1,000,000波形/秒という高速な波形更新レートと、画面をタッチして直観的にトリガを設定できる独自の「ゾーン・タッチ・トリガ」機能です。これにより、ノイズやグリッチなど、まれにしか発生しない異常信号も素早く特定できます。
また、購入後でも帯域幅やデジタルチャネル機能などを追加できる「フルアップグレード」に対応しています。加えて、メモリ(最大4Mポイント)や帯域幅、デジタルチャネル(MSO化)などを購入後でも追加できる「フルアップグレード」対応も強みです。
| 製品名 | チャネル数 | 最高サンプルレート | 垂直分解能 | 最大レコード長 |
|---|---|---|---|---|
| DSO5052A 5000シリーズ オシロスコープ : 500 MHz | 2チャネル | 4 Gサンプル/s | - | - |
| 比較項目 | 横河計測 (DLM3000HD / 5000HD) | Keysight (DSOX3052T) |
|---|---|---|
| 得意用途 | 精密測定・多チャネル解析 12bit分解能で微小信号を鮮明に再現。電源やモーター、MSO解析に。 |
異常信号の高速捕捉 毎秒100万波形の更新で、稀に発生するノイズやグリッチを逃さない。 |
| 価格帯 | 高精度・多チャネル対応のハイパフォーマンス帯 | 高速捕捉・拡張性に優れたミドル〜ハイエンド帯 |
| 拡張性 | 用途に合わせたメモリサイズやチャネル数の選択が可能。 | フルアップグレード対応 購入後に帯域幅やMSO、アプリ機能を追加可能。 |
| 画面サイズ | 8.4インチ(DLM3000) 12.1インチ(DLM5000) |
8.5インチ (静電容量方式タッチパネル) |
| MSO (ロジック) | 強力なロジック解析 最大32ビット(DLM5000)の観測に対応。 |
柔軟なアップグレード 必要になった時点でMSO機能を追加可能。 |
500MHzのオシロスコープは、ギガビット級信号やDDRメモリ等の高速計測に不可欠です。選定の要点は「解析精度」と「捕捉力」にあります。
精密な波形観測を求めるなら、横河計測の「HDモデル」がおすすめです。12ビットADC搭載により、従来の8ビット機に比べ垂直分解能が16倍向上しており、微小信号も鮮明に捉えます。多チャネル測定には最大8chのDLM5000、携帯性重視ならDLM3000が適しています。
一方、稀な異常信号の特定にはKeysight (キーサイト)のオシロスコープが強みを発揮します。毎秒100万波形の高速更新と独自の「ゾーン・タッチ・トリガ」により、ノイズ捕捉の効率が格段に上がります。
分解能重視で微細な変化を追うか、捕捉速度で異常を探すか、用途に合わせて選びましょう。
オシロスコープを選ぶ際は、用途に合った「周波数帯域」の選定がとても重要です。
メーカーごとに得意とする周波数帯域やラインアップには違いがあり、それが価格や解析機能、拡張性にも影響します。
本メディアではオシロスコープメーカーへの相談を検討中の企業向けに、周波数帯域別におすすめのメーカーを3社ご紹介している特集ページがありますので、併せてご参照ください。


| 周波数帯域 | 200MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 1GSa/s |
| チャネル数 | 2 |

| 周波数帯域 | 350MHz/500MHz |
|---|---|
| サンプルレート | 2.5GS/s |
| チャネル数 | 4ch/8ch/ロジック32bit |

| 周波数帯域 | 100GHz |
|---|---|
| サンプルレート | 256GSa/s |
| チャネル数 | 4 |