ロゴ

sec/divとは?

オシロスコープにおけるsec/divの基本的な意味や表記のパターン、実務で間違いやすい単位換算の注意点から、デジタル機種における設定値の確認・操作のコツまで解説します。

sec/divの基礎知識

sec/div(秒/ディビジョン)の意味と表記パターン

オシロスコープの表示画面にあるグリッド(格子状の目盛り)において、「横方向の1マス(1 div)がどれだけの時間に相当するか」を示す単位です。1マスあたりの時間幅を決定する設定値を指します。

この時間軸の表記は、メーカーや製造された年代、あるいは仕様書か本体のパネルかによって、以下のようにいくつかのパターンに分かれることがあります。

  • sec/div(またはsec/DIV):教科書や古いアナログ機などで標準的な表記
  • s/div(またはs/DIV):国際単位系の「秒(s)」を用いた、近年のデジタル機種に多い画面表示
  • TIME/DIV:本体パネルのツマミ(ノブ)周辺に印刷されている機能名としての表記

これらは表現が異なるだけで、すべて同じ役割を指しています。現場で異なる機種を扱う際も、これらの表記が同じ意味であることを知っておくとスムーズに対応しやすくなります。

time/div(時間軸)との関係性

結論から言うと、「sec/div」と「time/div」は本質的に完全に同じ意味です。機能そのものの名称や時間軸全般を指す言葉として「time/div」が使われ、その具体的な設定値や単位を表す言葉として「sec/div」や「s/div」が用いられる傾向があります。

どちらもオシロスコープの横軸のスケールを制御するものであるため、同様の認識で問題ありません。

sec/divを使った計算と単位換算の注意点

波形の周期と周波数を求める計算式

画面に表示された波形から信号の周期(1サイクルの時間)を読み取るには、「波形の1周期分が横方向に何マス(div)あるか」を数え、現在の「sec/div設定値」を掛け合わせます。

  • 計算式:波形の周期(秒) = 横のマス目数(div) × 現在のsec/div設定値

この手順で求めた周期の逆数(1 ÷ 周期)をとることで、その信号の周波数(Hz)を算出することができます。電気回路が意図した通りの速度で動作しているかを確認するための基礎的な手法です。

ミリ秒(ms)やマイクロ秒(μs)の換算で陥りがちな落とし穴

実務や実験の現場において、特に初心者の方が間違いやすいのが「ミリ秒(ms)」「マイクロ秒(μs)」「ナノ秒(ns)」といった補助単位の処理です。よくある誤認として、以下のような例が挙げられます。

  • 数値の大きさに惑わされる:例えば「500μs」と「1ms」を比較した際、500という数値の大きさに引っ張られ、500μsの設定の方が時間軸が長い(遅い)と錯覚してしまうケースです。実際には1msは1,000μsであるため、500μsの設定の方が、より短い時間での変化を捉える設定(速い時間軸)となります。
  • 周波数換算時の小数点のズレ:マイクロ秒やナノ秒といった極めて小さな時間を周波数(Hz)に変換する際、桁数の計算を誤り、キロヘルツ(kHz)とメガヘルツ(MHz)を取り違えてしまうようなトラブルにつながることがあります。

こうした計算ミスや設定ミスを軽減するためには、目盛りの数値だけでなく、単位の接頭語の大小関係を常に意識することが重要です。

デジタルオシロスコープにおけるsec/divの設定と確認のコツ

ツマミのポジションでは設定値がわからない特性

古いアナログオシロスコープの場合、物理的な回転ツマミが指している目盛り(パネル上の印刷)を見ることで、現在のsec/div設定値がいくらなのかを物理的に確認できました。

しかし、近年のデジタルオシロスコープでは、ツマミが無限に回転するロータリーエンコーダと呼ばれる部品になっており、ツマミの機械的な位置から設定値を読み取ることはできません。現在のsec/divを確認するには、画面上に表示されている文字情報を読み取る必要があります。

画面上の表示位置とUI(ユーザーインターフェース)の視認性

デジタル機種では、現在のsec/divの設定値はディスプレイ上のどこかに電子的に表示されます。しかし、画面サイズがコンパクトなエントリーモデルなどの場合、画面の最下部や端の方に非常に小さなフォントで表示されているケースがあり、初めて操作するユーザーが現在の設定値を見失ってしまう視覚的なストレスが生じることがあります。

計測間違いや計算ミスを軽減するためには、現在のsec/div(s/div)スケールやサンプルレートが、画面上に見やすく整理されて大きく表示されているUI(ユーザーインターフェース)を備えたモデルを選ぶことが、実務における快適性を左右する要素となります。

タイムスケール変更を快適にする近年の操作性

長時間の変化を記録した状態から、異常ノイズなどの一瞬の立ち上がりを観察するために、sec/divの値をミリ秒(ms)レベルからナノ秒(ns)レベルへと大幅に変更していく際、従来の物理ツマミだけを操作する場合、ノブを何十回もカチカチと回し続けなければならない手間が発生します。

近年のトレンドとしては、スマートフォンのように画面上で直接ピンチイン・ピンチアウト操作を行うことで、一瞬でタイムスケールを伸縮・ズームできるタッチパネル対応モデルが普及しています。これにより、手動でダイヤルを何度も回す手間を軽減し、効率的なデバッグ作業の一助となります。機種を選定する際は、ディスプレイの解像度やサイズだけでなく、こうした直感的な操作ができるかどうかも比較のポイントとなります。

THREE SELECTIONS
【周波数帯域別】
オシロスコープメーカー3選
周波数帯域
低帯域のイメージアイコン
100MHz
未満

の信号なら
リゴル
おすすめの製品一例
DS1000Z-E シリーズ
製品画像
引用元:リゴル公式サイト https://jp.rigol.com/jp/products/detail/DS1000Z-EX
周波数帯域200MHz
サンプルレート1GSa/s
チャネル数2
100MHz未満に
対応
  • 50〜100MHz帯域のモデルは、最低2チャネル・1GSa/sのサンプルレートを備え、電子回路の基礎学習や電子工作に必要な性能を発揮
  • 業界最安級の43,780円(税込)から購入できる低帯域・低価格モデルを展開し、初学者や教育機関でも導入しやすい
中帯域のイメージアイコン
100MHz~500MHz
の信号なら
横河計測
おすすめの製品一例
DLM5000HDシリーズ
製品画像
引用元:横河計測公式サイト https://tmi.yokogawa.com/jp/solutions/products/oscilloscopes/digital-and-mixed-signal-oscilloscopes/dlm5000hd-series-mixed-signal-oscilloscope/
周波数帯域350MHz/500MHz
サンプルレート2.5GS/s
チャネル数4ch/8ch/ロジック32bit
200~500MHzを
カバー
  • 16bit高分解能 × 最大16chの同時記録で、マイコンの制御ロジックとインバーター出力などのパワー波形を一括評価
  • ノイズ環境に強い独自の『絶縁測定』技術を採用。高電圧と低電圧が混在する開発現場でも、安全かつ高精度なテストを実現
高帯域のイメージアイコン
1GHz~110GHz
の信号なら
キーサイト
おすすめの製品一例
UXR1004B Infiniium UXRシリーズ
製品画像
引用元:キーサイト公式サイト https://www.keysight.com/jp/ja/product/UXR1004B/infiniium-uxr-series-oscilloscope-100-ghz-4-channels.html
周波数帯域100GHz
サンプルレート256GSa/s
チャネル数4
最高110GHzまで
アップグレード可能
  • 5Gやミリ波、光通信機器などで使用される最大110GHzの高速信号に対し、逓倍器を用いずに最大256GSa/sで細かにサンプリング
  • 上位モデルではジッタ測定、クロック・リカバリ機能搭載で、PHY層の通信規格テストを効率化
※参照元:インデックスプロ(https://www.indexpro.co.jp/Category/982)に掲載されているオシロスコープ販売メーカー17社の公式HPを調査(2025年6月12日調査時点)し、最も安いオシロスコープを取り扱うのがリゴル。
オシロスコープのイメージ写真

【周波数帯域別】

オシロスコープメーカー3選